法律と私の暮らし

近代国家を維持するのに大切な法律を守る法治国家について

守らない人もいますが、法律とは、人間が共に生活を送る上で定められた規則に他なりません。法律を設定するのは国ですが、実際に立法を行う国会議員は国民の投票によって選定されていますから、私たち国民が法律を作っていると言えるでしょう。法律は、全ての日本国民に適用される決まりごとです。自分に都合が悪いと言って法律に逆らえば、当然処罰の対象になる可能性が高くなりますから、全国民に法律を順守する義務が課されています。

全ての国民が法律に従わなければいけないという定めの事を、法治主義といいます。
法治主義はあらゆる国民が法の下の平等を保証されている為、何人であろうと法律を無視する事はできません。法治主義を確立している国のことを法治国家といい、法治国家である事は近代国家を存続させる為の重要な要件として知られています。法治主義の下では全ての法律が優先されますから、悪法であろうと法律は法律として違反してはいけません。その代わり正式な手続きを経れば法律そのものを改正する事もできますから、独裁や弾圧を避けるべく作られているのです。

法治主義は、元は王権による支配に対抗する為にできた思想ですから、法治主義の下で特別な人間による支配が行われる事はないことに決められています。但し、現実的には法治主義を掲げながら独裁を強いている国家は多くありますし、国民にのみ法を守ることを強く要望しながら一部の特別な階級だけを除外しているようなケースは稀ではありません。法治主義は優れた思想でも完璧なものではありません。上に立つ人間のやり方次第で法律を用いて国民を縛るような事も残念ながら可能です。

法律は国が設けるルールですが、法律のみではルールが不十分なケースもあります。自治体にて作られるルールが条例です。条例は法律の下で存在するルールであり、自治体が独自に制定をする事ができますが、法律に違反する条例を作る事はできません。一例ですが、法律で殺人が禁止されているのに、条例で人を殺しても良いというルールを作る事は禁止されています。